生徒会長が私を好きな理由
「知らない」
「いつもお昼はお弁当?」
売店を利用しないなら、ここを知らなくても無理ないか。それに一柳くんは転校して来てまだ数ヶ月しか経ってないし…
「まあ…そんなようなもん」
「…そんなようなって…どういう意味?」
どうでも良さそうな顔をする一柳くんだが、どこか寂しそうな顔をしているような気もした。気のせいかな…
「そんな事どうでもいい。それより何で教室から出て行った?今日の放課後は残れって言っただろ?」
「あ、いや…その……ちょっとね」
今、私…親友に反抗期でして。
怖い顔をしてじろりと睨む一柳くんに、私はアハハハと笑って誤魔化して見せた。
「お前を追いかけて来たせいで生徒会室から遠くなった…」
「生徒会室?そんなのあるの?」
「顧問に用意してもらった。早く行くぞ」
「ちょ…待ってよ!」
スタスタと先に歩き始める一柳くん。私はベンチから立ち上がりすぐに追いかけた。
顧問なんているの?誰だろう…
私はこの学校にもう1年もいるのに先生の顔と名前が一致しないレベルだけど、顧問とか言われると気になるなぁ。
怖い先生とかだったら嫌だし…
そんなことを考えながら私よりも少し前を歩く一柳くんの背中を眺めながら、歩く歩幅を合わせて早歩きする私。
大きくて男らしい体つきだな…
私はお父さんを早くに亡くしてるから、男の人とは普通の子より接触する機会は少なく生きてきた。今まで異性にあまり興味もなかったから、こんなふうに男子をまじまじ見るのって初めてに等しい。
それに一柳くんと今日1日一言も話さなかったのに、今はごく自然に会話出来ていた自分に今更驚いている…
元々人見知りもしない性格だから、昔から友達は多かったけど女友達ばかりだった私にこんな日が訪れるなんて…
なんだか私の大きな転機がやって来たような気がして、心臓が破裂しそうなくらいバクバクしている。
決して不快な鼓動ではなく、わくわくして今にもにやけそうな気もしている…
私はやっぱり…一柳くんの事が気になっているのかな…
「今開けるから」
「うん」
一柳くんの後についてやって来た所は、3階のはずれの薄暗い教室。ドアの前に着くなり、一柳くんはポケットから銀色の古びた鍵を出した。
「ここが生徒会室?」
「ああ…きれいに使えよ」
素っ気なくそう言うと、一柳くんは鍵でドアを開けた。
ガラ…
部屋の中を覗くとカーテンがしまっている為に薄暗くて、数個の椅子と机が雑に置かれているだけだった。
「すごい部屋…」
もしかして、かつてここが生徒会室だった場所なのかな?
ここまで部屋が死んでるなんて…どれだけ使ってないんだろう?
先に教室に入る一柳くんは、グレーの汚れている元々は白であったであろうカーテンを全開に開けた。
窓から日が差し込むと教室の汚さが余計に目に見えてわかり、ほこりがそこらじゅうに舞っていた。
「なんて部屋だ」
ケホケホと咳をしながら、ドアを開けて空気を入れ変える一柳くん。
「ゴホゴホッ」
熱は下がったけれどまだ咳や鼻水が出る私は、ほこりまみれの部屋に入ったからか突然咳がひどくなった。
「悪い。お前風邪だったよな。一旦廊下に出ててもいいぞ」
「ぇ…」
あれ。ちょっと優しい。
さっきまで素っ気なくしてたのに…
「役立たずは廊下に出てろ」
「う…」
ちょっとでも嬉しがってた私がバカみたい…
一柳くんて上げて落とすフリが多いな。
「大丈夫!で?これからここで何するの?生徒会集め?」
会長と副会長だけじゃ生徒会って成り立たないんじゃないの?
会計と書記が2人だから…あと3人は集めなくちゃいけないんじゃないの?
「いつもお昼はお弁当?」
売店を利用しないなら、ここを知らなくても無理ないか。それに一柳くんは転校して来てまだ数ヶ月しか経ってないし…
「まあ…そんなようなもん」
「…そんなようなって…どういう意味?」
どうでも良さそうな顔をする一柳くんだが、どこか寂しそうな顔をしているような気もした。気のせいかな…
「そんな事どうでもいい。それより何で教室から出て行った?今日の放課後は残れって言っただろ?」
「あ、いや…その……ちょっとね」
今、私…親友に反抗期でして。
怖い顔をしてじろりと睨む一柳くんに、私はアハハハと笑って誤魔化して見せた。
「お前を追いかけて来たせいで生徒会室から遠くなった…」
「生徒会室?そんなのあるの?」
「顧問に用意してもらった。早く行くぞ」
「ちょ…待ってよ!」
スタスタと先に歩き始める一柳くん。私はベンチから立ち上がりすぐに追いかけた。
顧問なんているの?誰だろう…
私はこの学校にもう1年もいるのに先生の顔と名前が一致しないレベルだけど、顧問とか言われると気になるなぁ。
怖い先生とかだったら嫌だし…
そんなことを考えながら私よりも少し前を歩く一柳くんの背中を眺めながら、歩く歩幅を合わせて早歩きする私。
大きくて男らしい体つきだな…
私はお父さんを早くに亡くしてるから、男の人とは普通の子より接触する機会は少なく生きてきた。今まで異性にあまり興味もなかったから、こんなふうに男子をまじまじ見るのって初めてに等しい。
それに一柳くんと今日1日一言も話さなかったのに、今はごく自然に会話出来ていた自分に今更驚いている…
元々人見知りもしない性格だから、昔から友達は多かったけど女友達ばかりだった私にこんな日が訪れるなんて…
なんだか私の大きな転機がやって来たような気がして、心臓が破裂しそうなくらいバクバクしている。
決して不快な鼓動ではなく、わくわくして今にもにやけそうな気もしている…
私はやっぱり…一柳くんの事が気になっているのかな…
「今開けるから」
「うん」
一柳くんの後についてやって来た所は、3階のはずれの薄暗い教室。ドアの前に着くなり、一柳くんはポケットから銀色の古びた鍵を出した。
「ここが生徒会室?」
「ああ…きれいに使えよ」
素っ気なくそう言うと、一柳くんは鍵でドアを開けた。
ガラ…
部屋の中を覗くとカーテンがしまっている為に薄暗くて、数個の椅子と机が雑に置かれているだけだった。
「すごい部屋…」
もしかして、かつてここが生徒会室だった場所なのかな?
ここまで部屋が死んでるなんて…どれだけ使ってないんだろう?
先に教室に入る一柳くんは、グレーの汚れている元々は白であったであろうカーテンを全開に開けた。
窓から日が差し込むと教室の汚さが余計に目に見えてわかり、ほこりがそこらじゅうに舞っていた。
「なんて部屋だ」
ケホケホと咳をしながら、ドアを開けて空気を入れ変える一柳くん。
「ゴホゴホッ」
熱は下がったけれどまだ咳や鼻水が出る私は、ほこりまみれの部屋に入ったからか突然咳がひどくなった。
「悪い。お前風邪だったよな。一旦廊下に出ててもいいぞ」
「ぇ…」
あれ。ちょっと優しい。
さっきまで素っ気なくしてたのに…
「役立たずは廊下に出てろ」
「う…」
ちょっとでも嬉しがってた私がバカみたい…
一柳くんて上げて落とすフリが多いな。
「大丈夫!で?これからここで何するの?生徒会集め?」
会長と副会長だけじゃ生徒会って成り立たないんじゃないの?
会計と書記が2人だから…あと3人は集めなくちゃいけないんじゃないの?