生徒会長が私を好きな理由
「初めまして。本間と申します」
「俺は田村だ!」
男の声が聞こえて振り返ると、後ろには男子2人がいて私に自己紹介して来た。
1人目の黒いフレームの眼鏡をかけたひょろっとした男子は、いかにも頭の良さそうな秀才タイプで固いイメージがある人。
もう1人の男子は身長が高くかなりがっちりとした体格で色黒の肌が光って見える。頭は丸坊主でニコニコしている彼は、元気でパワフルといった雰囲気があった。
この2人が本間くんと田村くん…さっきの紙に書いてあった男子2人だよね。
私はその男子達の顔も見に覚えがなく初対面の人に挨拶をするように「よろしく」と頭を下げた。
「3人共岩田からざっくりとした話は聞いていると思うが、詳しい話をするからそこの椅子に座ってくれ」
一柳くんが指差した先は先程雑巾がけをしてほこり一つない机と椅子。雑に置かれていたそれを、黒板を囲むようにコの字型に並べ直した。
それぞれ適当な椅子に座ると、私の隣には小波さんが座って来て私の顔を見るなりニコッと笑った。
この子本当にかわいいな…
私が小波さんに笑顔を返すと、黒板の前に立つ一柳くんが私達に向かって話し始めた。
「もうわかってると思うが、君達を集めたのは生徒会に入ってもらう為だ。この学校は生徒会がなく行事というイベント事は全て冷めきっている。この学校の活気を復活させる為にも力を貸して欲しい」
落ち着いたトーンで淡々と話す一柳くんは、とても高校生とは思えない。
こんなふうに人前で話すなんて私だったら上がっちゃって何言ってるのか分からなくなっちゃいそうなのに…
ん?
ちらっと教室の端に目を向けると、岩田さんが一柳くんを微笑ましい顔をして見ている事に気付いた。
岩田さんは何者なんだろう…
一柳くんの両親にしては若過ぎるし…お兄さんにしては顔が似てないしな。
「日野」
「え、あ、はいっ」
岩田を気にしていたら、一柳くんに名前を呼ばれ慌てて返事をする私。
「ボケッとしてないでちゃんと話を聞け」
「すいません…」
なにさ。ちょっとよそ見してただけじゃん!
先生じゃあるまいしそんなに怖い顔して言わなくたっていいのに…
「俺が君達を推薦したのには理由がある。数ヶ月前から君達を調べていた結果、君達にはある共通点があった。それは3人共、比較的放課後学校に残っていたという事だ」
腕を組んで言う一柳くんのその言葉に私は少し驚いた。
放課後残ってた?
何で?
「1人目の小波海音。君は生活委員でよく校庭の草むしりをやっているよな?」
「うん!草むしり大好きぃ♪学校がきれいになるもん」
一柳くんの問いかけに小波さんはテンションを上げて答えた。
「おまけに小波は学校の花壇の水やりを係でもないのに毎日やっている。密かに学校の植物や自然の手入れをしてるんだ」
「私の家お花屋さんなのー!学校の花や木のお世話を誰もやってくれないから可哀想で見ていられなくて…」
エヘヘと笑いながら小波さんはどこか悲しい顔をした。
係でもないのに花壇の水やりとかしてるんだ…すごく心の優しい子なんだな。
私なんて学校に花壇がある事すら気になってなかったし、世話をサボってる生徒がいる事自体知らなかった。
「2人目は本間信太。君は朝や放課後によく図書室で勉強したり本を読んでいるだろ?」
「ええ。僕は幼い頃から本が好きで毎日図書室を利用しています。あそこはとても落ち着くし家より集中できるので、勉強も図書室でやっています」
本間くんはかけている眼鏡をくいっと上げると、一柳くんに笑顔で答えた。
図書室…か。
どこにあるのか知らないかも(笑)
「図書室の整理や掃除も積極的にやってるだろ?おかけでいつも図書室がきれいに片付いている」
「あまり利用する人は多くありませんが、素晴らしい本達が汚れるのは嫌なので定期的に手入れをしています」
そんな事してる人もいるんだな…なんか自分がクズに思えて来るよ。
「最後は田村良樹。君はこの学校の生徒の中で唯一部活に入っているいるよな?」
「俺は田村だ!」
男の声が聞こえて振り返ると、後ろには男子2人がいて私に自己紹介して来た。
1人目の黒いフレームの眼鏡をかけたひょろっとした男子は、いかにも頭の良さそうな秀才タイプで固いイメージがある人。
もう1人の男子は身長が高くかなりがっちりとした体格で色黒の肌が光って見える。頭は丸坊主でニコニコしている彼は、元気でパワフルといった雰囲気があった。
この2人が本間くんと田村くん…さっきの紙に書いてあった男子2人だよね。
私はその男子達の顔も見に覚えがなく初対面の人に挨拶をするように「よろしく」と頭を下げた。
「3人共岩田からざっくりとした話は聞いていると思うが、詳しい話をするからそこの椅子に座ってくれ」
一柳くんが指差した先は先程雑巾がけをしてほこり一つない机と椅子。雑に置かれていたそれを、黒板を囲むようにコの字型に並べ直した。
それぞれ適当な椅子に座ると、私の隣には小波さんが座って来て私の顔を見るなりニコッと笑った。
この子本当にかわいいな…
私が小波さんに笑顔を返すと、黒板の前に立つ一柳くんが私達に向かって話し始めた。
「もうわかってると思うが、君達を集めたのは生徒会に入ってもらう為だ。この学校は生徒会がなく行事というイベント事は全て冷めきっている。この学校の活気を復活させる為にも力を貸して欲しい」
落ち着いたトーンで淡々と話す一柳くんは、とても高校生とは思えない。
こんなふうに人前で話すなんて私だったら上がっちゃって何言ってるのか分からなくなっちゃいそうなのに…
ん?
ちらっと教室の端に目を向けると、岩田さんが一柳くんを微笑ましい顔をして見ている事に気付いた。
岩田さんは何者なんだろう…
一柳くんの両親にしては若過ぎるし…お兄さんにしては顔が似てないしな。
「日野」
「え、あ、はいっ」
岩田を気にしていたら、一柳くんに名前を呼ばれ慌てて返事をする私。
「ボケッとしてないでちゃんと話を聞け」
「すいません…」
なにさ。ちょっとよそ見してただけじゃん!
先生じゃあるまいしそんなに怖い顔して言わなくたっていいのに…
「俺が君達を推薦したのには理由がある。数ヶ月前から君達を調べていた結果、君達にはある共通点があった。それは3人共、比較的放課後学校に残っていたという事だ」
腕を組んで言う一柳くんのその言葉に私は少し驚いた。
放課後残ってた?
何で?
「1人目の小波海音。君は生活委員でよく校庭の草むしりをやっているよな?」
「うん!草むしり大好きぃ♪学校がきれいになるもん」
一柳くんの問いかけに小波さんはテンションを上げて答えた。
「おまけに小波は学校の花壇の水やりを係でもないのに毎日やっている。密かに学校の植物や自然の手入れをしてるんだ」
「私の家お花屋さんなのー!学校の花や木のお世話を誰もやってくれないから可哀想で見ていられなくて…」
エヘヘと笑いながら小波さんはどこか悲しい顔をした。
係でもないのに花壇の水やりとかしてるんだ…すごく心の優しい子なんだな。
私なんて学校に花壇がある事すら気になってなかったし、世話をサボってる生徒がいる事自体知らなかった。
「2人目は本間信太。君は朝や放課後によく図書室で勉強したり本を読んでいるだろ?」
「ええ。僕は幼い頃から本が好きで毎日図書室を利用しています。あそこはとても落ち着くし家より集中できるので、勉強も図書室でやっています」
本間くんはかけている眼鏡をくいっと上げると、一柳くんに笑顔で答えた。
図書室…か。
どこにあるのか知らないかも(笑)
「図書室の整理や掃除も積極的にやってるだろ?おかけでいつも図書室がきれいに片付いている」
「あまり利用する人は多くありませんが、素晴らしい本達が汚れるのは嫌なので定期的に手入れをしています」
そんな事してる人もいるんだな…なんか自分がクズに思えて来るよ。
「最後は田村良樹。君はこの学校の生徒の中で唯一部活に入っているいるよな?」