生徒会長が私を好きな理由
「やったー!また同じクラスだねっ!!」
あれから数ヵ月が経ち、私は高校生二年生になった。
今日から新学期で泉と由愛とまた同じクラスになれた私は、3人でキャッキャとはしゃぎながら新しい教室へ向かう…
がやがや
教室に入るなり女子達のキャーキャーと騒ぐ声が聞こえ、私達は一瞬足を止めた。
「一柳くんと同じクラスなんてラッキー!」
「マジでかっこ良すぎるぅ」
女子達の目線の先には、窓際の一番後ろの席で1人本を読む男子生徒の姿…
あれって…
「あれが噂の転校生だよ」
泉がボソッと言うその言葉に、私はその場で「ああ」と思い出したように何度か頷いた。
やっぱり…!
なんとなくだけど…あの騒がれようを見れば、あれが転校生だってわかったよ。
転校生して来てからもう数ヶ月経ってるけど、私はその男子を今初めてこんなに間近で見た。
整った顔立ちと黒のちょうどいい長さの髪に、落ちついた雰囲気となんとも言えない近寄り難いオーラ。
椅子に座っているのに身長が高いことがわかるし、本を読んでいるその横顔だけですごく目立つ…
まるで芸能人みたいなその転校生に、私は一瞬で釘付けになってしまった。けれど…
「私の席はどこかなー」
私はその転校生から目をそらして、自分の席を探した。
泉が言っていた通り…確かに転校生はイケメンだとは思う。というか…思っていたよりも遥かにカッコ良かった…
でもやっぱりどうでもいい。
違う世界の人というか…私には関係の無い人だ。
「えー…今日から二年生になり新学期を迎えたわけですが…」
あれから教室に担任がやって来て、今はHR。私は机に肘をつきながら先生の話を聞いていた。
「では、まず学級委員を決めたいと思います。立候補いますか?」
HRは委員会決めに入っていて、教卓に立つ先生が生徒達を見渡しながら言った。
学級委員なんて…立候補する人いないでしょ。それに委員とかいう以前に、うちの学校はそんなのいらないんじゃないかな…
冒頭で呟いたように、私の通うこのつくば高校は終わっている。というのは…生徒達がやる気が無さ過ぎて行事が全然盛り上がらないのだ。
例えば…体育祭なんて欠席する人が多すぎて去年は中止になったくらいだし、文化祭も一般公開が禁止されている為に生徒達はやる気なしでダラダラと参加するだけ…
噂だと、生徒会もいるのかいなのかよくわからない状態らしく…先生達も半ば諦めているみたいだ。
学校がそんな状態でも、文句を言う生徒や改善しようとする人もいるわけではなく…なんとなく日々が過ぎているというのが現状。
私も高校生活に友達がいればそれでいいし、イベント事が終わっていようが生徒会がいないとかそんなことどうでも良かった。
きっと泉や由愛、その他の生徒達も私と同じ事を思っていると思う…この高校になんの期待もしていないしずっとこのままでいいと思っている。
これが私の通う高校。
出席日数が足りていて、単位を落とさなければそれでいいでしょ!
だから…学級委員に立候補する人なんかいないって。そんなのなってもやる事ないんだから…
「…やります」
は?
手を挙げたのは…噂の転校生のあの男子。
その行為でクラスの女子達は一気に騒ぎ始めた。
嘘…立候補者現れたよ…
転校生だからこの学校の状況がわかってないのかな?
「おお!一柳が立候補してくれたぞ、助かるな~他に立候補者がいないなら学級委員は一柳で決定にするぞー」
立候補者なんていないに決まってるじゃん。自ら立候補した時点で、もうあの転校生が学級委員に決定だよ。
「では学級委員は一柳に決定する。皆拍手!」
パチパチパチパチ…
先生は嬉しそうにそう言うと、黒板にチョークで「一柳 悠生」と書いた。
教室が拍手に包まれる中、私はチラッとその転校生に目を向ける…
一柳くん…ていうんだ。
学級委員に立候補するなんて…真面目な人なのかな。
見た目的にはチャラい感じではないけど…そこまで真面目そうには見えないけどなぁ。
そんな事を思いながら一柳くんを見ていた私だったが、すぐに目をそらして数秒後には違う事を考えていた。
そしてその日は午前中で学校は終わり、私は泉と由愛と3人で学校帰りにファーストフード店に寄ってお昼を食べることにした。
「また3人同じクラスで良かったね♪」
「本当本当~」
ハンバーガーを頬張りながら、泉と由愛が嬉しそうに話す。
「…あれ?亜香莉どうしたの?」
「全然食べてないじゃん」
ハンバーガーやポテトに、ほとんど手をつけずに飲み物ばかり飲む私を見た2人は心配そうに言った。
「んーちょっと食欲なくて…」
午前中のHR辺りから、なんか体がだるくて食欲がない私…
あれから数ヵ月が経ち、私は高校生二年生になった。
今日から新学期で泉と由愛とまた同じクラスになれた私は、3人でキャッキャとはしゃぎながら新しい教室へ向かう…
がやがや
教室に入るなり女子達のキャーキャーと騒ぐ声が聞こえ、私達は一瞬足を止めた。
「一柳くんと同じクラスなんてラッキー!」
「マジでかっこ良すぎるぅ」
女子達の目線の先には、窓際の一番後ろの席で1人本を読む男子生徒の姿…
あれって…
「あれが噂の転校生だよ」
泉がボソッと言うその言葉に、私はその場で「ああ」と思い出したように何度か頷いた。
やっぱり…!
なんとなくだけど…あの騒がれようを見れば、あれが転校生だってわかったよ。
転校生して来てからもう数ヶ月経ってるけど、私はその男子を今初めてこんなに間近で見た。
整った顔立ちと黒のちょうどいい長さの髪に、落ちついた雰囲気となんとも言えない近寄り難いオーラ。
椅子に座っているのに身長が高いことがわかるし、本を読んでいるその横顔だけですごく目立つ…
まるで芸能人みたいなその転校生に、私は一瞬で釘付けになってしまった。けれど…
「私の席はどこかなー」
私はその転校生から目をそらして、自分の席を探した。
泉が言っていた通り…確かに転校生はイケメンだとは思う。というか…思っていたよりも遥かにカッコ良かった…
でもやっぱりどうでもいい。
違う世界の人というか…私には関係の無い人だ。
「えー…今日から二年生になり新学期を迎えたわけですが…」
あれから教室に担任がやって来て、今はHR。私は机に肘をつきながら先生の話を聞いていた。
「では、まず学級委員を決めたいと思います。立候補いますか?」
HRは委員会決めに入っていて、教卓に立つ先生が生徒達を見渡しながら言った。
学級委員なんて…立候補する人いないでしょ。それに委員とかいう以前に、うちの学校はそんなのいらないんじゃないかな…
冒頭で呟いたように、私の通うこのつくば高校は終わっている。というのは…生徒達がやる気が無さ過ぎて行事が全然盛り上がらないのだ。
例えば…体育祭なんて欠席する人が多すぎて去年は中止になったくらいだし、文化祭も一般公開が禁止されている為に生徒達はやる気なしでダラダラと参加するだけ…
噂だと、生徒会もいるのかいなのかよくわからない状態らしく…先生達も半ば諦めているみたいだ。
学校がそんな状態でも、文句を言う生徒や改善しようとする人もいるわけではなく…なんとなく日々が過ぎているというのが現状。
私も高校生活に友達がいればそれでいいし、イベント事が終わっていようが生徒会がいないとかそんなことどうでも良かった。
きっと泉や由愛、その他の生徒達も私と同じ事を思っていると思う…この高校になんの期待もしていないしずっとこのままでいいと思っている。
これが私の通う高校。
出席日数が足りていて、単位を落とさなければそれでいいでしょ!
だから…学級委員に立候補する人なんかいないって。そんなのなってもやる事ないんだから…
「…やります」
は?
手を挙げたのは…噂の転校生のあの男子。
その行為でクラスの女子達は一気に騒ぎ始めた。
嘘…立候補者現れたよ…
転校生だからこの学校の状況がわかってないのかな?
「おお!一柳が立候補してくれたぞ、助かるな~他に立候補者がいないなら学級委員は一柳で決定にするぞー」
立候補者なんていないに決まってるじゃん。自ら立候補した時点で、もうあの転校生が学級委員に決定だよ。
「では学級委員は一柳に決定する。皆拍手!」
パチパチパチパチ…
先生は嬉しそうにそう言うと、黒板にチョークで「一柳 悠生」と書いた。
教室が拍手に包まれる中、私はチラッとその転校生に目を向ける…
一柳くん…ていうんだ。
学級委員に立候補するなんて…真面目な人なのかな。
見た目的にはチャラい感じではないけど…そこまで真面目そうには見えないけどなぁ。
そんな事を思いながら一柳くんを見ていた私だったが、すぐに目をそらして数秒後には違う事を考えていた。
そしてその日は午前中で学校は終わり、私は泉と由愛と3人で学校帰りにファーストフード店に寄ってお昼を食べることにした。
「また3人同じクラスで良かったね♪」
「本当本当~」
ハンバーガーを頬張りながら、泉と由愛が嬉しそうに話す。
「…あれ?亜香莉どうしたの?」
「全然食べてないじゃん」
ハンバーガーやポテトに、ほとんど手をつけずに飲み物ばかり飲む私を見た2人は心配そうに言った。
「んーちょっと食欲なくて…」
午前中のHR辺りから、なんか体がだるくて食欲がない私…