生徒会長が私を好きな理由
九条さんは…どんな手を使って一柳くんを取り戻すつもりなんだろう。
やっと生徒会が復活してこれからって時に一柳くんがいなくなるのは嫌だな…生徒会だけじゃなく…私自身としても…
どうして?
「おい」
カバンのチャックをしめて肩に掛けると、後ろから一柳くんに声をかけられ振り返る。
「帰るぞ」
「…ぁ、うん」
昨日言ってた事…本当だったんだ。お母さんからのお願いで毎日帰りは私を家まで送ってくれるって話…
でも、一柳くんはいつまでつくば高校にいるんだろう。これがずっと続くわけじゃないって思うとすごく寂しくなる。
ブォーーン…
一柳くんと生徒会室を出て下駄箱で靴を履き替えると、外の校門前に止まっていた車の運転席の窓からローズさんが顔を出した。私達が車に乗り込むと車はゆっくりと走り始める。
「…」
「…」
会話がない。
昨日までは下校中の私が車から一柳くんに話しかけられるパターンだったから、車内に来てからもなんとなく会話がかあったけど…最初から車に乗ってる状態だと何話していいかわかんないかも。
普通…異性とはどんな事話すものなの?
その前に…一柳くんとは生徒会が一緒だけど関係性としては友達にはなるんだろうか。うーん…
「…おとなしいな」
意外にも先に沈黙を破ったのは一柳くんで、私は慌てて言葉を返す。
「…そお?」
「いつもはギャーギャーうるさいのに」
「そんなに騒いでないから」
普通に会話が始まった事が嬉しくて、少し照れくさくなる。
「やっぱり向こう(白百合清蘭学園)の生徒がつくば高校に来るって…なんか落ち着かないだろ。九条にこれからは来ないように言っておくから」
少し申し訳なさそうに言う一柳くんに、私は驚きながら聞き返す。
「べべべ別に九条さんの事なんて何とも思ってないよ?」
「嘘つけ。九条が来てからお前ずっとおかしいだろ」
「そ、それは…」
どうしよう…九条さんが電話で話してた事一柳くんに話そうかな。
「…一柳くんはこっちで生徒会もやって向こうの学校ではクラブも入ってるんでしょ?大変だね」
ここは話を変えよう。九条さんのことは今はとりあえず置いておいた方がいいよね…
「別に…クラブはそこまで重要じゃない。ただの暇つぶしに入っただけだ」
「そうなの?」
「今は生徒会の方で忙しいからあっちにはほとんど行ってない。普段は岩田に行ってもらってるから今日はかなり久しぶりに行った。一瞬だけどな」
「ふーん…」
一柳くんは疲れているのか目をこすったあと小さいあくびをしていた。私はそんな一柳くんを見ながら、さっき九条さんが電話の相手に話していた言葉を思い出していた…
薄汚い学校…
みすぼらしい制服…
悠生が可哀想だよ…
一柳くんもやっぱり九条さんと同じ事を思ってるのかな…
「着きましたよん」
あっという間に私の家のアパートに着いてローズさんがこっちに声をかけて来て、私は慌ててカバンを持ち外に出て一柳くんの座っている方に回る。昨日と同じように窓が開き一柳くんが顔を出した。
「送ってくれてありがとう」
今日はなんだかモヤモヤする日だったけど…一柳くんと一緒に帰れて良かった。
「これ…」
「ん?」
一柳くんが私に小さなメモ用紙を差し出す。私はそれを受け取って開くと、紙には携帯の電話番号とアドレス…それにLINEのIDが書かれていた。
「俺の連絡先だ。さっきお前がコピーに行ってる間に他のメンバーとは交換した」
「そうなんだ」
「お前がコピーに時間がかかり過ぎたからさっきお前だけ交換し忘れた」
「す、すいませんね」
やっと生徒会が復活してこれからって時に一柳くんがいなくなるのは嫌だな…生徒会だけじゃなく…私自身としても…
どうして?
「おい」
カバンのチャックをしめて肩に掛けると、後ろから一柳くんに声をかけられ振り返る。
「帰るぞ」
「…ぁ、うん」
昨日言ってた事…本当だったんだ。お母さんからのお願いで毎日帰りは私を家まで送ってくれるって話…
でも、一柳くんはいつまでつくば高校にいるんだろう。これがずっと続くわけじゃないって思うとすごく寂しくなる。
ブォーーン…
一柳くんと生徒会室を出て下駄箱で靴を履き替えると、外の校門前に止まっていた車の運転席の窓からローズさんが顔を出した。私達が車に乗り込むと車はゆっくりと走り始める。
「…」
「…」
会話がない。
昨日までは下校中の私が車から一柳くんに話しかけられるパターンだったから、車内に来てからもなんとなく会話がかあったけど…最初から車に乗ってる状態だと何話していいかわかんないかも。
普通…異性とはどんな事話すものなの?
その前に…一柳くんとは生徒会が一緒だけど関係性としては友達にはなるんだろうか。うーん…
「…おとなしいな」
意外にも先に沈黙を破ったのは一柳くんで、私は慌てて言葉を返す。
「…そお?」
「いつもはギャーギャーうるさいのに」
「そんなに騒いでないから」
普通に会話が始まった事が嬉しくて、少し照れくさくなる。
「やっぱり向こう(白百合清蘭学園)の生徒がつくば高校に来るって…なんか落ち着かないだろ。九条にこれからは来ないように言っておくから」
少し申し訳なさそうに言う一柳くんに、私は驚きながら聞き返す。
「べべべ別に九条さんの事なんて何とも思ってないよ?」
「嘘つけ。九条が来てからお前ずっとおかしいだろ」
「そ、それは…」
どうしよう…九条さんが電話で話してた事一柳くんに話そうかな。
「…一柳くんはこっちで生徒会もやって向こうの学校ではクラブも入ってるんでしょ?大変だね」
ここは話を変えよう。九条さんのことは今はとりあえず置いておいた方がいいよね…
「別に…クラブはそこまで重要じゃない。ただの暇つぶしに入っただけだ」
「そうなの?」
「今は生徒会の方で忙しいからあっちにはほとんど行ってない。普段は岩田に行ってもらってるから今日はかなり久しぶりに行った。一瞬だけどな」
「ふーん…」
一柳くんは疲れているのか目をこすったあと小さいあくびをしていた。私はそんな一柳くんを見ながら、さっき九条さんが電話の相手に話していた言葉を思い出していた…
薄汚い学校…
みすぼらしい制服…
悠生が可哀想だよ…
一柳くんもやっぱり九条さんと同じ事を思ってるのかな…
「着きましたよん」
あっという間に私の家のアパートに着いてローズさんがこっちに声をかけて来て、私は慌ててカバンを持ち外に出て一柳くんの座っている方に回る。昨日と同じように窓が開き一柳くんが顔を出した。
「送ってくれてありがとう」
今日はなんだかモヤモヤする日だったけど…一柳くんと一緒に帰れて良かった。
「これ…」
「ん?」
一柳くんが私に小さなメモ用紙を差し出す。私はそれを受け取って開くと、紙には携帯の電話番号とアドレス…それにLINEのIDが書かれていた。
「俺の連絡先だ。さっきお前がコピーに行ってる間に他のメンバーとは交換した」
「そうなんだ」
「お前がコピーに時間がかかり過ぎたからさっきお前だけ交換し忘れた」
「す、すいませんね」