生徒会長が私を好きな理由
「こんなの嫌!明日の体育祭休むっっ」
「うそうそ!!冗談だって!!!」
試着室を出ていこうとする私を、泉と由愛が必死に止める。
「笑ったのは可愛いからだって♪」
「そうだよ!可愛くてついってこと」
2人に慰められながら試着室を出ると、何やら体育祭内が騒がしく女子のキャーキャーという声が聞こえ声のする方に目をやると…
「あれって一柳くんだよね?」
「うん…」
目に飛び込んで来たのは白衣を着た一柳くんで、女子生徒達に囲まれながらすごく迷惑そうな顔をしていた。
か、かっこいい…
白衣がすごく似合ってる!
「確かに似合っててかっこいいけど…あれってコスプレって言うのかな?制服の上から白衣着ただけじゃん」
「コスプレということにしたあげようよ…亜香莉は喜んでるみたいだから」
泉と由愛の会話は私の耳には届く事はなく、私も一柳くんを囲む女子達も同じ気持ちになって彼を見つめていた…
「っ…!」
するとふと一柳くんと目が合うと、私に気づいたようでこっちに近づいて来た。私は一瞬ドキドキしたが今の自分の状況をすぐに思い出す。
今の私はだるまだったんだ…!
どうしよう…一柳くんにこんな所見られたくないけど逃げるわけにはいかないし…
「…」
どうしたらいいのかわからなくなっていると、一柳くんが私の目の前までやって来て無表情のままだるま姿の私をしばらく見つめると、制服のポケットからスマホだした。そして…
パシャリ…
私のだるま姿を写真に撮ると、そのまま背を向けて体育祭から出て行った。
「ちょっと何なのよーっ!」
顔を赤くしながら叫んでも、一柳くんはこっちを振り向くことなく行ってしまう。そんな私に泉と由愛が近づいて来て肩を叩いた。
「まあまあ。あれはあいつなりにじゃれてるつもりなのよ」
「そうそう!いいふうに受け取っておきな」
「うぅ…」
だるまの衣装を見られた末に、おまけに社長まで撮られたし…
嬉しいような恥ずかしいような…
「私達も教室に戻ろ!そんで今日は2人共家に泊まらない?こうなったら本格的にコスプレを極めようよ♪」
「賛成ー!」
泉の提案に喜んで手を挙げたのは由愛だけで、私は暗い表情をして答えた。
「コスプレを極めるって…2人はかわいいやつだからいいけど……私なんか…だるまだし…何を極めるっていうの?これ以上だるまになんかなりたくないよ!」
「わかってるって!」
「あんたはそのままでいいの!私らのコスプレを極める延長でついでにお泊り会して盛り上がろうって話よっ!ほら行くわよ」
私は泉と由愛に両手を引かれて教室に戻った。この2人にいつも助けられている私は改めて親友の存在に感謝した。
それと同時に体育祭のコスプレ作戦がうまくいって良かったと、安心してほっと胸をなでおろしていた。
「うそうそ!!冗談だって!!!」
試着室を出ていこうとする私を、泉と由愛が必死に止める。
「笑ったのは可愛いからだって♪」
「そうだよ!可愛くてついってこと」
2人に慰められながら試着室を出ると、何やら体育祭内が騒がしく女子のキャーキャーという声が聞こえ声のする方に目をやると…
「あれって一柳くんだよね?」
「うん…」
目に飛び込んで来たのは白衣を着た一柳くんで、女子生徒達に囲まれながらすごく迷惑そうな顔をしていた。
か、かっこいい…
白衣がすごく似合ってる!
「確かに似合っててかっこいいけど…あれってコスプレって言うのかな?制服の上から白衣着ただけじゃん」
「コスプレということにしたあげようよ…亜香莉は喜んでるみたいだから」
泉と由愛の会話は私の耳には届く事はなく、私も一柳くんを囲む女子達も同じ気持ちになって彼を見つめていた…
「っ…!」
するとふと一柳くんと目が合うと、私に気づいたようでこっちに近づいて来た。私は一瞬ドキドキしたが今の自分の状況をすぐに思い出す。
今の私はだるまだったんだ…!
どうしよう…一柳くんにこんな所見られたくないけど逃げるわけにはいかないし…
「…」
どうしたらいいのかわからなくなっていると、一柳くんが私の目の前までやって来て無表情のままだるま姿の私をしばらく見つめると、制服のポケットからスマホだした。そして…
パシャリ…
私のだるま姿を写真に撮ると、そのまま背を向けて体育祭から出て行った。
「ちょっと何なのよーっ!」
顔を赤くしながら叫んでも、一柳くんはこっちを振り向くことなく行ってしまう。そんな私に泉と由愛が近づいて来て肩を叩いた。
「まあまあ。あれはあいつなりにじゃれてるつもりなのよ」
「そうそう!いいふうに受け取っておきな」
「うぅ…」
だるまの衣装を見られた末に、おまけに社長まで撮られたし…
嬉しいような恥ずかしいような…
「私達も教室に戻ろ!そんで今日は2人共家に泊まらない?こうなったら本格的にコスプレを極めようよ♪」
「賛成ー!」
泉の提案に喜んで手を挙げたのは由愛だけで、私は暗い表情をして答えた。
「コスプレを極めるって…2人はかわいいやつだからいいけど……私なんか…だるまだし…何を極めるっていうの?これ以上だるまになんかなりたくないよ!」
「わかってるって!」
「あんたはそのままでいいの!私らのコスプレを極める延長でついでにお泊り会して盛り上がろうって話よっ!ほら行くわよ」
私は泉と由愛に両手を引かれて教室に戻った。この2人にいつも助けられている私は改めて親友の存在に感謝した。
それと同時に体育祭のコスプレ作戦がうまくいって良かったと、安心してほっと胸をなでおろしていた。