生徒会長が私を好きな理由
そう言って目をそらすと、一柳くんは本を入れた紙袋を持ち上げてしゃがんでいた腰を上げる。
「岩田を待たせてるから帰る。邪魔したな」
「ううん」
もう帰っちゃうのかぁ。このまま時間が止まってくれればいいのに…
「お前はとりあえず勉強しろ。このままだと赤点決定だぞ?平均点とまでは言わないが赤点は避けないとまずいだろ」
「そ、そうでした…」
思い出したように言う一柳くんの言葉に、玄関で見送った私は一気に現実に戻されたような気分。今すごく幸せモードだったからテストのことなんてすっかり忘れてた…
「つくば高校はイベント事はしらけてるが成績は案外優秀だぞ?偏差値は年々上がってるし大学の合格率も就職率も結構高い」
「嘘…」
全然知らなかった…ということはあの学校って皆そこそこ頭いいってこと?私が受験した時は普通レベルだったけど年々上がって来てるのか。
じゃあ一柳くんの言うように尚更赤点はやばいじゃん…
「お前は国語だけは唯一得意みたいだから、後はテスト範囲内の漢字を覚えればそこそこの点数は取れるだろ」
「うんうん、なるほど」
「数学は割と優しい計算くらいは解けるようにしておいて、何とか点数を稼ぐしかない。後は…」
玄関でローファーを履きながらテスト勉強のアドバイスをしてくれる一柳くんに、ドキドキしながら頷く私。今日はいい日だな…
「テスト勉強なんて期末が終わったら忘れてもいいんだ。その期間だけなんだから自分なりに頑張ってみろ」
「うん!私頑張る!ありがとうっ」
一柳くんがそんな事言ってくれるなら頑張るしかないでしょ!それにやれそうな気がしてきてきた!!
「…テストまでお前よりは自分の時間が持てそうだし…1巻くらいなら読んであげてもいい」
「え?」
一柳くんは私の持っていた漫画を手に取ってフッと笑う。
「じゃあ…また明日」
「うん…」
ポカーンとしている私は魂が抜けたように手を振ると、一柳くんは帰って行った。そしてすぐに我に返ると、私は1人玄関先でたまらずにしゃがみ込んで心の中で「きゃーーー」と叫んだ。
何あれ!!超カッコ良かった♡♡♡
やっぱり今日はいい日だー!
この幸せな気持ちは次の日の放課後まで消えなかった…
ガラガラ…
翌日の放課後。HRを終えた私はいつものように生徒会室のドアを開けると、部屋にはまだ誰も来ていなかった。私は電気をつけて荷物を置くとカバンから参考書とペンケースを出す。
皆まだ来てないなんて珍しいな…一柳くんと一緒で掃除当番かな?
ガラガラ…
椅子に腰掛けて何気なくスマホをいじっていると、すぐにドアが開く音がして顔を上げた。するとそこには意外な人が…
「こんにちは♪」
「…九条…さん?」
「岩田を待たせてるから帰る。邪魔したな」
「ううん」
もう帰っちゃうのかぁ。このまま時間が止まってくれればいいのに…
「お前はとりあえず勉強しろ。このままだと赤点決定だぞ?平均点とまでは言わないが赤点は避けないとまずいだろ」
「そ、そうでした…」
思い出したように言う一柳くんの言葉に、玄関で見送った私は一気に現実に戻されたような気分。今すごく幸せモードだったからテストのことなんてすっかり忘れてた…
「つくば高校はイベント事はしらけてるが成績は案外優秀だぞ?偏差値は年々上がってるし大学の合格率も就職率も結構高い」
「嘘…」
全然知らなかった…ということはあの学校って皆そこそこ頭いいってこと?私が受験した時は普通レベルだったけど年々上がって来てるのか。
じゃあ一柳くんの言うように尚更赤点はやばいじゃん…
「お前は国語だけは唯一得意みたいだから、後はテスト範囲内の漢字を覚えればそこそこの点数は取れるだろ」
「うんうん、なるほど」
「数学は割と優しい計算くらいは解けるようにしておいて、何とか点数を稼ぐしかない。後は…」
玄関でローファーを履きながらテスト勉強のアドバイスをしてくれる一柳くんに、ドキドキしながら頷く私。今日はいい日だな…
「テスト勉強なんて期末が終わったら忘れてもいいんだ。その期間だけなんだから自分なりに頑張ってみろ」
「うん!私頑張る!ありがとうっ」
一柳くんがそんな事言ってくれるなら頑張るしかないでしょ!それにやれそうな気がしてきてきた!!
「…テストまでお前よりは自分の時間が持てそうだし…1巻くらいなら読んであげてもいい」
「え?」
一柳くんは私の持っていた漫画を手に取ってフッと笑う。
「じゃあ…また明日」
「うん…」
ポカーンとしている私は魂が抜けたように手を振ると、一柳くんは帰って行った。そしてすぐに我に返ると、私は1人玄関先でたまらずにしゃがみ込んで心の中で「きゃーーー」と叫んだ。
何あれ!!超カッコ良かった♡♡♡
やっぱり今日はいい日だー!
この幸せな気持ちは次の日の放課後まで消えなかった…
ガラガラ…
翌日の放課後。HRを終えた私はいつものように生徒会室のドアを開けると、部屋にはまだ誰も来ていなかった。私は電気をつけて荷物を置くとカバンから参考書とペンケースを出す。
皆まだ来てないなんて珍しいな…一柳くんと一緒で掃除当番かな?
ガラガラ…
椅子に腰掛けて何気なくスマホをいじっていると、すぐにドアが開く音がして顔を上げた。するとそこには意外な人が…
「こんにちは♪」
「…九条…さん?」