生徒会長が私を好きな理由
「もっと甘えてもいーんだよ?私達親友でしょ??」

「誰が親友だ…」

「…そんなに迷惑だったら帰るけど…なんかほっとけなくてさ」


体調が悪い時って1人でいたいかもしれないけど…こんな広い部屋で1人なんて思うとね…ローズさんがいるなら別だけど。





「迷惑なんかじゃないけど…」

「なら私の事は気にしないで。ほら…私が具合悪い時は悠生が看病してくれたじゃん。そのお礼だと思ってよ」


私の言葉に悠生は少し考えた後、諦めたようにため息を吐いた。そして食べ終えたうどんの器を持って立ち上がると…




「…勝手にしろよ」


そう言ってキッチンのシンクに食器を置き、ソファーにドカッと座る。




「薬買ってきたから飲みなね」

「はいはい」


半ば投げやりな悠生は、私に反論するのが面倒になったのか素直に言う事を聞くようになっている。そして薬を飲むとまたソファーに寝転がって毛布をかぶった。






「…本当にお節介だよな」


ソファーに仰向けに寝る悠生は、ブツブツとそう言って顔をしかめる。




「何とでも言いなさいよ。私が好きでやってるんだから」

「…岩田から連絡が来てお前が来るかもしれないと言っていたが…まさか本当に来るとは思わなかった」


呆れたような物言いをする悠生を見て、私どこかひねくれているようにも見えた。まだ高校生なのにこんな広すぎる部屋に一人暮らしなんてしてるから、誰かに頼る事を忘れてしまったのか…





「来るに決まってるでしょ。体調が悪いのに看病してくれる人が誰もいないなんて聞いたら飛んで行くよ」

「…」

「とにかく今はちゃんと寝て風邪治しな。夏風邪はこじらせると大変だよ」


私の言葉に悠生は何も返さずにソファーの上で私に背中を向けた体制になると、そのまま眠りについていたようだった。

私は後片付けをして夕食の準備を済ませると、リビングでテレビを観たりして時間を潰した。それから数時間すると悠生の目が開いた。






「おはよう。気分はどう?」

「まあまあ」


さっきよりも顔色が良くなっているように見える悠生は、起きるなりミネラルウォーターをグビグビと飲む。






「夕食作ったけど食べるよね?」
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