生徒会長が私を好きな理由
ローズさんと別れて家に帰宅した私は、部屋の明かりも付けないでそのままベットにダイブ。

ポケットに入れたままのスマホに手を伸ばして、泉と由愛に電話して話を聞いてもらおうかと思ったけど…手が動かなかった。



私の心は時間が止まったようだった…

そしてあっという間に夏休みは終わり、二学期が始まった。






「亜香莉~泉~」


いつもより早めに学校に行き教室で泉と話していると、登校してきた由愛が私達に駆け寄って来る。




「夏休みはどうだったー?」

「ほぼ3人で会ってたでしょうが」

「あ、そっか」

「アハハハ」


悠生にフラれてから、私は友達とよく遊ぶようにしてなるべく考えないようにしていた。

親友2人にも悠生との事は話してないし、何度か海音とも会ったけど話せなかった…





「そういえば亜香莉は会長とどうなのよ~夏休み中なんか進展あった?」

「…ないない」


由愛質問に明るく答えた私だったが、あれから悠生とは連絡も取っていないしもちろん会ってもいない。

悠生があの時の事をどう思っているか気になるけど、怖い方が先に立ってしまうのが現実だ。今日は久しぶりに悠生に会うから憂鬱…






「ほらほら…噂をすれば来たよ」


ニヤニヤする泉の目線を辿ると悠生が教室に入って来て、クラスの女子に囲まれていた。

悠生を見た途端…胸がチクリと痛んだあとドキドキとうるさくなる…



まだ悠生のことが好きなんだ。

諦めてなんかないだな私…



女子達をかわして自分の席に座る悠生とちらっと目が合い、私は全力で顔をそらしてしまった…

やっぱりダメだ。普通にしてようって思ってたけど、そんなふうに振る舞えないよ…






「亜香莉ー!」


教室のドアから海音が私を呼び、こっちに手招きしている。私は泉と由愛に断りを入れた後海音に小走りで近づいた。






「今日って生徒会あるのかな?亜香莉会長から何か聞いてる?」

「えっ」
< 66 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop