生徒会長が私を好きな理由
すると品の良さそうなドレススーツを着た女性が部屋に入ってきて、ニコニコしながら私に近づいてきた。


すごく綺麗な人…誰だろう……





「亜香莉ちゃん、初めまして!私は悠生の母です」

「え!」


驚いた私はヘアセットをしてもらっているのにも関わらず思わずその場で立ち上がり、姿勢を正した。




「は、初めまして!私…悠生くんと同じ高校の日野亜香莉と申します!!」


カチンコチンに緊張しながら挨拶をすると、お母さんはクスッと笑っていた。



び、ビックリした…まさかお母さんだったとは……しかも若いし。

確か悠生ってお兄さんがいて末っ子なんだよね?何人も子供産んでるようには見えない。





「知ってるわよ~悠生はあんまり自分の事話してくれないけどローズからあなたの話は伺ってるのよ。さ、座って」

「はい…」


優しそうな人だな、それに明るいし。悠生のお母さんはもっと厳しそうな人だと思ったのに…




「いつも悠生と仲良くしてくれてありがとね」

「いえ…私の方こそ」


椅子に腰掛けるとお母さんは私の髪のセットの続きをやりながら、悠生の事を話し始めた。





「今日は熱い夜になりそうよね♪ねぇ…お願いなんだけど、悠生と2人きりになったらちょっと何か仕掛けてくれない?」

「え?」


仕掛けるってどういう意味?





「例えば…亜香莉ちゃんから手を握ってみるとか……いけそうならキスくらいしてもいいかも♪」

「はい!?」


急に何言ってるんですか!!?





「奥様。お嬢様を困らせてはいけませんよ」

「だって~悠生がパーティーに女の子連れてきたのなんて初めてよ?何にもないなんてもったいないじゃない」
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