生徒会長が私を好きな理由
いたずらっぽく微笑んでヒソヒソと話すお母さんに、私は顔を引きつりながら笑い「頑張ります…」と言うのが精一杯だった。







「とってもお似合いですよ~」

「やっぱり女の子はいいですねぇ」


ヘアセットとドレスに着替え終わると、私は全身が映る大きなミラーの前でメイドさん達に囲まれていた。

悠生が選んでくれたドレスを着て、お母さんがプレゼントしてくださったヘアチェーンを付けた私は明らかにいつもとは別人になっていた。こんなオシャレは子供の時の七五三以来かも…

そんな事を考えながらメイドさん達に手を引かれながら支度をした部屋を出ると、外には黒いタキシード姿の悠生が待っていた。


さっきの白も似合ってたけど、黒はもっと悠生の顔に合っていてすごくかっこいい…





「…お待たせしました」

「ああ…」


いつもの感じとは違う雰囲気になんとなく敬語になってしまって、私は恥ずかしい気持ちを抑え下を俯いた。





「やっぱりよく似合ってるな」


私の着ているドレスを見て言う悠生。その言葉を聞いて顔がカァァと熱くなった。


白いフレアのドレスは腰に黒の大きなリボンが付いていて、肩や背中が結構開いているのにとても可愛らしいデザイン。






「これ悠生か選んでくれたんでしょ?ありがとう」
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