生徒会長が私を好きな理由
こんなかわいいドレスを着るなんて思ってもみなかった。女の子なら誰でも一度は着たくて憧れるものだから。




「…後夜祭って何やるの?」


今まで後夜祭なんて行ったことも無いし、それにパーティーなんて想像すらつかない。





「何もしないよ。ただ知り合いに挨拶して頭下げて軽食食べる程度だよ」

「ふーん…」


それがパーティーか。奥が深いような深くないような…






「お嬢様。パーティーでは女性はパートナーの腕を組むものでございますよ」


近くにいた紳士的なおじさんに声をかけられた私は、ぎこちない手つきで悠生に腕に手を添えた。




「執事の松元(まつもと)だ」

「どうぞよろしくお願いします。坊ちゃんがこんなに素敵な方を連れてこられて私も嬉しゅうございます」


悠生から紹介された紳士的が執事さんだと知って、私は慌てて「よろしくお願いします」と挨拶した。




「悠生様。フロアで後夜祭が始まりましたよ」


メイドさんに案内された場所は白学のパーティールームで、学校にあるとはとても思えない部屋だった。

つくば高校の体育館の倍はあるその部屋は白い大理石の床で、上には今まで見たとこのないシャンデリアが…
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