生徒会長が私を好きな理由
「おー!これはこれは♪素敵なお嬢さんでっ」


私が近づくと悠生の近くにいた1人の男性が大声でそう叫び、私に顔をぐっと近づけて来る。

見た感じから言ってその人は明らかに高校生には見えない…もしかして先生?





「僕は悠生の兄の壱誠(いっせい)♪いつも弟がお世話になっています」

「ええっ!お、お…」


お兄さん!?



「よろしくねぇ!ほぉ~想像以上に素敵なお嬢さんだね♪さすが悠生が連れてきただけのことある」

「よ、よろしくお願いします」


私の手を力強く握る壱誠さんは、きりっととした顔立ちにヒゲを生やしていて素敵な大人の男性って感じ。




「やめろよ壱誠。怖がってるだろ」

「そーだよ」


近くにいたのはこれまた素敵な男性2人。壱誠さんと同じでとても同い歳には見えないからもしかして…





「初めまして。僕は次男の誠也(せいや)です。弟がいつもお世話になっています」

「僕は三男の裕也(ゆうや)!よろしくね」


思っていた通りこの2人も悠生のお兄さんなんだ!よく見ると顔が似てる気がするし…





「もういいから。とっとと帰れよ」

「冷たいな~悠ちゃんは~」

「そこがかわいいんだけどね」


3人のお兄さんは冷たくあしらう悠生にへばりついて、頭を撫でたりスリスリと顔をすりつけている。悠生は本気でうっとうしそうだ。



前にローズさんが言っていた事ってこれかな?

悠生の家族はみんな明るくてユーモアがある方達だけど、ちょっとおふざけが過ぎるところがたまに傷みたいな…

まだ会って数分も経っていないけど、もうなんとなくわかってきた気がする。






「いいか?絶対に今日は邪魔すんなよ。何があっても俺に近づくな」

「わかってるよーん」

「大丈夫だって!」
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