生徒会長が私を好きな理由
生徒会結成
キーンコーン
カーンコーン
「帰りにクレープ食べようよ♪」
「いいねぇ」
その日の放課後。
HRが終わって帰る支度を済ませると、いつものように泉と由愛は私の席に集まって来る。
私は1人そわそわしながら、さっきからチラチラと一柳くんを気にしている。
確か…今日の放課後残れって一柳くんに言われたよね…
生徒会の仕事がどうのとかって言ってたし。
「ごめんっ…悪いんだけど今日は先に帰ってくれる?」
カバンを肩にかけて教室を出ようとする2人に、私は思い切って声をかけた。
「どうしたの?」
「何か用事?」
2人は首を傾げて不思議そうに私を見る。
そんな顔されて当たり前だよね…
元々学校というものを無視しているような私達が、学校に残る意味なんてないのだ。
残るとすればせいぜい掃除くらいだけど、今日の掃除当番は私ではない事くらい友達である2人はわかってる…
ここはごまかすか…
それとも本当の事を言う…?
真実を話すという事は…一柳くんの事を2人に打ち明けるということ。
そしたら2人はどんな反応をするかな…
泉と由愛が私に注目する中、私はゴクリとつばを飲みとりあえず口を開いた。
「…実は私……生徒会の副会長になることになっちゃって…」
2人から目をそらして言うと、急にすごく恥ずかしい気持ちが込み上げて来る。
一柳くんの事は避けて、とりあえず副会長になったことだけ言ってみたけど…めちゃめちゃ恥ずかしい…
「…ぷっ。アハハハ」
「何?副会長??亜香莉が!?」
私の告白を聞き、お腹を抱えて笑い始める泉と由愛。余計に恥ずかしくなり顔を赤くする私だが、こんなことになるんじゃないかってどこかわかっていた気もする…
「と、とにかく!今日は先に帰ってねっ!!」
「ちょっと亜香莉!」
泉と由愛が私を呼ぶ声が聞こえたけれど、私はカバンを持ってダッシュで教室を飛び出して目的もなくただひたすら走った。
親友の2人には話せない…
話したくない…
なんで?
なんで??
なんでよ…
今まで隠し事なんてしたことなかったのに…
まるで親に反抗してる思春期の中学生にでもなった気分。
「ハァハァ…」
しばらく走って校舎の外れまで来ると、疲れた私は立ち止まり売店の近くの外のベンチに腰掛けた。
ここは裏庭の近くで、昼休みになると売店や自販機が近いからか生徒達が群がっている場所。今はひとっこ1人見当たらず、まるで私の貸し切り状態だ。
「おい」
びくッッッ
「きゃ!」
すると突然後ろから男の人の声が聞こえ、驚いた私は思わず飛び上がって大声を出してしまった。その勢いで後ろを振り返ると、そこには一柳くんの姿が…
「い、一柳くん…」
心臓がバクバクと鳴る中…一柳くんを見つめると冷静な顔をしてベンチの後ろで私を見下ろしている。
「…脅かさないでよね」
「脅かしたつもりはない」
一柳くんはそう言うと、今いる裏庭をキョロキョロと見渡す。
「こんな場所があったのか…」
「知らなかったの?」
物珍しそうに見る一柳くんは、ここに来るのは初めてのように見えた。
カーンコーン
「帰りにクレープ食べようよ♪」
「いいねぇ」
その日の放課後。
HRが終わって帰る支度を済ませると、いつものように泉と由愛は私の席に集まって来る。
私は1人そわそわしながら、さっきからチラチラと一柳くんを気にしている。
確か…今日の放課後残れって一柳くんに言われたよね…
生徒会の仕事がどうのとかって言ってたし。
「ごめんっ…悪いんだけど今日は先に帰ってくれる?」
カバンを肩にかけて教室を出ようとする2人に、私は思い切って声をかけた。
「どうしたの?」
「何か用事?」
2人は首を傾げて不思議そうに私を見る。
そんな顔されて当たり前だよね…
元々学校というものを無視しているような私達が、学校に残る意味なんてないのだ。
残るとすればせいぜい掃除くらいだけど、今日の掃除当番は私ではない事くらい友達である2人はわかってる…
ここはごまかすか…
それとも本当の事を言う…?
真実を話すという事は…一柳くんの事を2人に打ち明けるということ。
そしたら2人はどんな反応をするかな…
泉と由愛が私に注目する中、私はゴクリとつばを飲みとりあえず口を開いた。
「…実は私……生徒会の副会長になることになっちゃって…」
2人から目をそらして言うと、急にすごく恥ずかしい気持ちが込み上げて来る。
一柳くんの事は避けて、とりあえず副会長になったことだけ言ってみたけど…めちゃめちゃ恥ずかしい…
「…ぷっ。アハハハ」
「何?副会長??亜香莉が!?」
私の告白を聞き、お腹を抱えて笑い始める泉と由愛。余計に恥ずかしくなり顔を赤くする私だが、こんなことになるんじゃないかってどこかわかっていた気もする…
「と、とにかく!今日は先に帰ってねっ!!」
「ちょっと亜香莉!」
泉と由愛が私を呼ぶ声が聞こえたけれど、私はカバンを持ってダッシュで教室を飛び出して目的もなくただひたすら走った。
親友の2人には話せない…
話したくない…
なんで?
なんで??
なんでよ…
今まで隠し事なんてしたことなかったのに…
まるで親に反抗してる思春期の中学生にでもなった気分。
「ハァハァ…」
しばらく走って校舎の外れまで来ると、疲れた私は立ち止まり売店の近くの外のベンチに腰掛けた。
ここは裏庭の近くで、昼休みになると売店や自販機が近いからか生徒達が群がっている場所。今はひとっこ1人見当たらず、まるで私の貸し切り状態だ。
「おい」
びくッッッ
「きゃ!」
すると突然後ろから男の人の声が聞こえ、驚いた私は思わず飛び上がって大声を出してしまった。その勢いで後ろを振り返ると、そこには一柳くんの姿が…
「い、一柳くん…」
心臓がバクバクと鳴る中…一柳くんを見つめると冷静な顔をしてベンチの後ろで私を見下ろしている。
「…脅かさないでよね」
「脅かしたつもりはない」
一柳くんはそう言うと、今いる裏庭をキョロキョロと見渡す。
「こんな場所があったのか…」
「知らなかったの?」
物珍しそうに見る一柳くんは、ここに来るのは初めてのように見えた。