生徒会長が私を好きな理由
驚いて固まっていると、悠生はクスッと笑って少し意地悪な顔をする。





「…泣き止んだ」


恋愛なんてよくわからないと言っていたのに、悠生はいつも私よりも上手で私の事をよくわかってる…

私の胸のスイッチのポイントを抑えてるところはさすがだと思う。そういうところも含めて大好き。






「返事聞いてないけど」

「何の返事?」

「…俺と付き合ってくれるかどうかの」

「……そんなこと言わなくてもわかるでしょ」


結構前に告白したし、この状況からみても私の気持ちは言うまでもない。






「言って」


ドSの悠生が顔を出した。この顔は大嫌いだけど大好きになりつつあるかも…




「だからその…えっと………私も…スキ………です」

「聞こえないな」

「…私も好きで……………ん」


突然悠生に唇を塞がれた。さっきみたいな軽いキスじゃなくてもう少し深いキス…






「その顔が見られれば充分だよ」


優しく笑って私の目の下についた涙を拭き取ってくれる悠生に、私は初めて恋を覚えたような感覚に戻っていた。

悠生と出会えて良かった…

ずっと恋に無縁だった私が…悠生と出会えた事でたくさんの事を知れたんだ…






「ちょっと押すな!」

「今いーとこなんだから!!」

「写真撮った?ちゃんと撮った!?」

「あーママにも見せてよ!」


いい雰囲気に包まれていたら、テラスの入口の方で何やら騒がしい声が聞こえて振り返ると…そこには悠生のお母さんやお兄さん3人が私達を覗き込んでいた。
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