カルテットリバーシ
「美味い、さすがチョコ。しかも3倍。チョコだけ。他のもんいらん!!」
クレープ屋に付いた緑君のオーダーはやはり自由で。
他何もいらないからとにかくチョコって言って、チョコスプレーのクレープにトッピングでチョコソースとチョコスプレーとチョコスプレーを頼んでいた。
店員さんも笑いながら大量のチョコスプレーを熱々クレープに包み込んで、渡す時に「チョコが溶けて下から出てくるかもしれません」なんて言っていたほどだった。
「っていうか、そんなの、出来るんだね…知らなかった」
私はというと、イチゴとチョコと生クリームのクレープを食べながら関心して緑君を見つめている。
イートインスペースがあったお店の、窓際の席。
店員さんがお水をくれたので飲み物は頼まないで二人で向い合ってクレープを食べている。
夢みたいだなと思った。
「緋色とはこういうとこよく来るの?」
聞かれて、考えて。
「…うん、ファーストフードとか、私が好きだし。連れて来てもらう…かも」
歯切れ悪く答えた理由は、緋色が連れてってくれる時はもっとおしゃれなお店だから。私がねだる時だけいつもファーストフードとかこういう簡単なカフェみたいなところとかばかりで。思い出せば思い出すほど情けなくなった。
緑君はそれと言って興味なさそうに「へぇ~」と言いながらチョコのクレープにかぶりついた。
そのあとすぐに幸せそうな顔をして微笑んだ。
いいな。チョコがちょっとうらやましい。
「…擬似恋人って、嫌じゃない?ま~僕が頼んだのに僕がこんな事言うのも変な話だけどね。…嫌じゃない?なんかごめん」
最後の方は至極まじめなトーンで。
慌てて首を横に振る。
「ううん、ううん、嫌だと思った事、ないよ。むしろ、私なんかが緋色の隣りにいて、緋色の評価落としちゃってるんじゃないかなって心配にはなるけど…裏で緋色女見る目ないとか言われてたらどうしようって、結構考える…」
しゅんとしながらぽつぽつと言うと、相変わらず笑ったままの緑君が。
「セレン一人ぐらいで評価下がるような王子様じゃないな~あの王子様っぷりは異常よ。彼女がいたって告られてんだからまじ」
知ってる。
たまに私の無力さを感じる。
更に私はしゅんとした。
その私に「あー…」という顔をした緑君が。
「…でも数は減ったよだいぶ。本当に。すごく。前はひっきりなしっつーか女引き連れて廊下歩いてるような奴だったもんな。緋色が動けば団体移動みたいな。それなくなっただけでもあいつまじ嬉しいんだと思うよ~。少なくとも僕は嬉しいよ。やっと緋色と学校でまともに喋れるようになったもん。前は無理だったわ~女の子の目が怖くて」
冗談みたいにそう言う言葉のほとんどはきっと本当の事なんだろう。
チョコクレープがぱくぱくと緑君の口に消えて行く。
「でも、お話しても、いつも二人は喧嘩してるイメージだよ」
ちょっとだけ意地悪にそう言ってみたら、さっきよりももっと嬉しそうな笑顔をした緑君が。
「喧嘩するほど仲がいいのー」
と目を細めた。
今緑君が私を見てる。
私の言葉に笑ってくれてる。
私は自分のイチゴのクレープの味なんてちっともわからなくなったけど、緑君の食べてるチョコのクレープの味は、きっとチョコなんだろうなって少しだけわかるような、変な気分がしていた。
嬉しくて。
時間がすぐなくなっていく。
クレープ屋に付いた緑君のオーダーはやはり自由で。
他何もいらないからとにかくチョコって言って、チョコスプレーのクレープにトッピングでチョコソースとチョコスプレーとチョコスプレーを頼んでいた。
店員さんも笑いながら大量のチョコスプレーを熱々クレープに包み込んで、渡す時に「チョコが溶けて下から出てくるかもしれません」なんて言っていたほどだった。
「っていうか、そんなの、出来るんだね…知らなかった」
私はというと、イチゴとチョコと生クリームのクレープを食べながら関心して緑君を見つめている。
イートインスペースがあったお店の、窓際の席。
店員さんがお水をくれたので飲み物は頼まないで二人で向い合ってクレープを食べている。
夢みたいだなと思った。
「緋色とはこういうとこよく来るの?」
聞かれて、考えて。
「…うん、ファーストフードとか、私が好きだし。連れて来てもらう…かも」
歯切れ悪く答えた理由は、緋色が連れてってくれる時はもっとおしゃれなお店だから。私がねだる時だけいつもファーストフードとかこういう簡単なカフェみたいなところとかばかりで。思い出せば思い出すほど情けなくなった。
緑君はそれと言って興味なさそうに「へぇ~」と言いながらチョコのクレープにかぶりついた。
そのあとすぐに幸せそうな顔をして微笑んだ。
いいな。チョコがちょっとうらやましい。
「…擬似恋人って、嫌じゃない?ま~僕が頼んだのに僕がこんな事言うのも変な話だけどね。…嫌じゃない?なんかごめん」
最後の方は至極まじめなトーンで。
慌てて首を横に振る。
「ううん、ううん、嫌だと思った事、ないよ。むしろ、私なんかが緋色の隣りにいて、緋色の評価落としちゃってるんじゃないかなって心配にはなるけど…裏で緋色女見る目ないとか言われてたらどうしようって、結構考える…」
しゅんとしながらぽつぽつと言うと、相変わらず笑ったままの緑君が。
「セレン一人ぐらいで評価下がるような王子様じゃないな~あの王子様っぷりは異常よ。彼女がいたって告られてんだからまじ」
知ってる。
たまに私の無力さを感じる。
更に私はしゅんとした。
その私に「あー…」という顔をした緑君が。
「…でも数は減ったよだいぶ。本当に。すごく。前はひっきりなしっつーか女引き連れて廊下歩いてるような奴だったもんな。緋色が動けば団体移動みたいな。それなくなっただけでもあいつまじ嬉しいんだと思うよ~。少なくとも僕は嬉しいよ。やっと緋色と学校でまともに喋れるようになったもん。前は無理だったわ~女の子の目が怖くて」
冗談みたいにそう言う言葉のほとんどはきっと本当の事なんだろう。
チョコクレープがぱくぱくと緑君の口に消えて行く。
「でも、お話しても、いつも二人は喧嘩してるイメージだよ」
ちょっとだけ意地悪にそう言ってみたら、さっきよりももっと嬉しそうな笑顔をした緑君が。
「喧嘩するほど仲がいいのー」
と目を細めた。
今緑君が私を見てる。
私の言葉に笑ってくれてる。
私は自分のイチゴのクレープの味なんてちっともわからなくなったけど、緑君の食べてるチョコのクレープの味は、きっとチョコなんだろうなって少しだけわかるような、変な気分がしていた。
嬉しくて。
時間がすぐなくなっていく。