カルテットリバーシ
とぼとぼと帰る帰り道。
前を歩く緑君の背中を見つめる。
好きな子、誰だろう。
緑君の好きになる人ってどんな人なんだろう。
ぐるぐると思考巡らせれば巡らせるほど気分が落ち込んで行く。
「セレンて、普段家で何してんのー?」
会話が無かったから気を遣ってくれたのか唐突な質問が聞こえて顔を上げた。
「え、えと…家で?えと…セントポーリア、育ててて…」
「セントなんとか?何それ?」
キョトン顔の緑君が可愛かった。
「お花!白い花びらで、一枚だけ赤い模様が入る種類のやつ育ててるんだけど…あ、…えと…お花とか、興味ないよね。えっと…まだ、咲いてなくて。そのうち、咲いたらいいなって」
お水の量とか育て方なんて言っても仕方ないかなって思って、花が咲いてるか咲いてないかだけ言ってみたけれど、もしかしたら男の子はそれすらも興味なかったかもしれないなと思った。
でも緑君は、食いつくでも食いつかないでもなく。
「ふぅ~ん。いつ咲くのー?」
と、いつも通りのトーンのまま。
「1月に…咲いたらいいなって。でももうちょっと、早いかも」
そう答えたら今度は口元でにかっと笑って。
「クリスマスに咲いたらろまんてぃっくぅ~!咲いたら見して見して~!」
ドキッとする。
可愛らしく笑った緑君が、咲いたら見せてって。
お部屋で育ててるセントポーリアを見せるには、うちに来てもらわなければ。
「…あ、遊びに来て、くれるの?…う、うちに。私の、…お部屋で、育ててて…」
もしかしたらの期待を込めた私の言葉に。
それでもやっぱりいつも通りの変わらぬ笑顔で。
「行く行くー!超行くわー!ちゃんと咲かせてね~枯らしたら怒るよ~」
来て、くれる。
嬉しさに胸が張り裂けそうで。
私は胸を押さえて笑い返した。
前を歩く緑君の背中を見つめる。
好きな子、誰だろう。
緑君の好きになる人ってどんな人なんだろう。
ぐるぐると思考巡らせれば巡らせるほど気分が落ち込んで行く。
「セレンて、普段家で何してんのー?」
会話が無かったから気を遣ってくれたのか唐突な質問が聞こえて顔を上げた。
「え、えと…家で?えと…セントポーリア、育ててて…」
「セントなんとか?何それ?」
キョトン顔の緑君が可愛かった。
「お花!白い花びらで、一枚だけ赤い模様が入る種類のやつ育ててるんだけど…あ、…えと…お花とか、興味ないよね。えっと…まだ、咲いてなくて。そのうち、咲いたらいいなって」
お水の量とか育て方なんて言っても仕方ないかなって思って、花が咲いてるか咲いてないかだけ言ってみたけれど、もしかしたら男の子はそれすらも興味なかったかもしれないなと思った。
でも緑君は、食いつくでも食いつかないでもなく。
「ふぅ~ん。いつ咲くのー?」
と、いつも通りのトーンのまま。
「1月に…咲いたらいいなって。でももうちょっと、早いかも」
そう答えたら今度は口元でにかっと笑って。
「クリスマスに咲いたらろまんてぃっくぅ~!咲いたら見して見して~!」
ドキッとする。
可愛らしく笑った緑君が、咲いたら見せてって。
お部屋で育ててるセントポーリアを見せるには、うちに来てもらわなければ。
「…あ、遊びに来て、くれるの?…う、うちに。私の、…お部屋で、育ててて…」
もしかしたらの期待を込めた私の言葉に。
それでもやっぱりいつも通りの変わらぬ笑顔で。
「行く行くー!超行くわー!ちゃんと咲かせてね~枯らしたら怒るよ~」
来て、くれる。
嬉しさに胸が張り裂けそうで。
私は胸を押さえて笑い返した。