カルテットリバーシ
「私、オセロ全然わかんないんだけど、私も、ちょっとやってみたい、かも」

 つぶやきに緑君が即答で、

「緋色に教えてもらうといいよ、オセロはなかなか奥が深いんだ~」

 なんて言って。でもそれに即答で緋色が。

「緑に教わったらいいさね、俺より教えるのは上手い奴さ」

 なんて言って。二人で顔を見合わせて。私も二人をきょろきょろと見て。
 なんだか変な間が出来てしまった気がしたから、慌てて、

「あ、い、いいよいいよ、あの、私どうせ弱いし、本でも読んで勉強するし」

 と、手をぱたぱたと振って「ごめんね」と伝えようとした。
 様子に緑君が緋色をちらっと見て。緋色がリレー形式みたいに私を見た。

「…今度教えるさね」

 言って私の頭に手を伸ばして優しく撫でた。
 気を遣わせてしまった。しかも二人ともに。

 緋色には後で、やっぱり教えてくれなくていいよって言おうと思った。
 了承してくれたのが緋色で良かった。緑君だったら後で弁解なんて出来なかった。
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