拝啓 偽りの君
「ねぇ、良くあんなに言われて笑ってられるね。」


「それ、良く言われる。」

僕の問いに彼女は笑いながら言った。



「体格が良いって、君は細いし。」



うん、と笑顔で聞く彼女。



「ブサイクなんかじゃ無いし。」


「唇なんて、薄いより分厚い方がエロくて良いと思うよ。」






「ねぇ、それ慰めてるの?」

彼女はお腹を抱えて笑いながら言った。


「君、面白いね。」

別に面白い事なんて言ったつもり無いのに。

彼女は笑い上戸なのかも知れない。



「私ね、可哀想って思われるのが嫌なの。」





「プライドが高いのかしら?」

ずっと笑い続ける彼女。
彼女といるとこっちまで笑えてくる。


「だからいつもバカみたいに明るいのか。」

「なにそれ!」

一瞬怒ったような顔をしてからまた笑う。そして言った。




「笑うって疲れるのよ、案外。」
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