すき。
「ほらー、席に着け」



担任の一言でクラスメイトは皆席に着いた。



今から自己紹介が始まるみたいだ。



五十音順から始まった自己紹介は順調に進み、私の番になった。



「ゆりあ、いってら!」



「いってき」



少し緊張しながら教卓の前にと立つ。



「髙野優梨愛です。えっと、乃◯坂46が好きです!音楽全般は大体知ってると思います?多分!よろしくお願いします!」



一仕事を終えて、自分の席に着く。



次、誰なんだろ。



「千野充碧です。サッカー部です。よろしく」



千野か。女子は皆んな目をハートにさせてる。そんなにかっこいいなかなあ?



「ねね、あんこ。千野ってかっこいいの?」



「えっ?あ、まあ…かっこいいんじゃないかな?」



あんこがそう言うのならそうなのか。



「東城杏子です!皆からあんこって呼ばれてます!カラオケとかめっちゃ好きだからカラオケ行くときは皆んな誘ってね〜」



わあ、出来上がってる…。さすがあんこだな。



「おつかれ!」



「ありがとう!てかいちいち自己紹介しなくていい気がする」



「たしかに」


一通り自己紹介を終えて、やっと帰りのホームルームが始まる。



「え、明日から授業あんの?」



「あんこは教科書配られるだけだと思うよ!」



「かな?だといいな」



あんことの雑談を交えながら先生の話を聞いていた。



「おーわーったー!ゆりあ、カラオケ行こ!」



「行こ行こ!」



あんこにカラオケを誘われ、急いで準備をする。



早くー。と教室の後ろのドアで手招きをするあんこの元へ向かう。



ドンッ



「いてっ、ごめん!」



「大丈夫だよ」



声の低さから男子だと分かった。顔を上げると、私がぶつかったのは千野だった。
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