すき。
「あ、えっと…本当ごめんね!ばいばいっ」



そう告げると私はダッシュで逃げた。



怖い。怖すぎる。



てか大丈夫だよって言ってたけど声怒ってなかった?あー、もう本当怖い。



「ゆりあ遅い」



「ごめんごめん」



あんこと合流してカラオケへ向かう。



学校の最寄り駅から2個目の駅を降りてすぐ近くにカラオケボックスがある。



ショッピングセンターがあるため、夕方は学生や夕食の材料を買いに来る人が沢山いる。



カラオケボックスに着き、受付を済ませて部屋と進む。



「ねえ、ゆりあ」



「なに?」



「ゆりあさ、ぶっちゃけ気になってる人いるでしょ?」



飲んでいたココアを吹き出しそうになった。



「は??」



「千野とか」



「な、なんで?」



「なんかよく見てるから」



「そ、そうかな?そんなことないよ??てか同じクラスになったばっかだし!」



えー、怪しい。と言いながらあんこは曲を選び始めた。



「そういうあんこは気になってる人とかいるの?」



「あれ?ゆりあに言ってなかったっけ」



首を傾げるあんこ。うん、可愛い。



「なにを?」



「あんこ彼氏いるよ?」



「え!初耳だよ。誰?」



「相沢咲也(あいざわ さくや)!あとでくるよ〜」



「待って待って、彼氏いるの知らなかったし突然すぎないすか、あんこさん!」



もう知ってるからいいじゃーん。と笑いながらあんこは言った。
< 6 / 7 >

この作品をシェア

pagetop