繋いでくれた歌【完結】
「これが無理だったら、素直に就職先探す。
それでお母さん、お父さんに迷惑なんてかけない。
最後のチャンスなんだ」
困ったように顔を見合わせる両親。
それから、お父さんは大きく息をつくと眉を顰めた。
「……わかった。やってみなさい」
「っ!!」
私は息を呑んだ。
それから、すぐにケーを見る。
ケーも目を見開いたまま、私を見た。
だけど、すぐにその瞳が細められる。
ふっと微笑みながら、お父さんが口を開く。
「ひまり。どうなっても、お父さんとお母さんはお前の味方だ」
「……うん、ありがとう」
それからは新條さんと話しして、双方納得したらしく帰る二人を玄関まで見送った。
お母さんも一緒に。
「今日は良かったです。
これからよろしくお願いいたします」
新條さんは丁寧に頭を下げる。
お母さんも同じように頭を下げながら
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」
そう言った。
優しい瞳でケーが私を見つめていて、視線が絡むと口を開く。