繋いでくれた歌【完結】


デビュー曲が発売されて、すぐのオリコン発表は本当に喉から心臓が出るんじゃないかって程に緊張した。
私のデビュー曲はまさかの2位だった。


ケーと一緒にそれを見た瞬間、叫び声を上げた。



「凄い!ひまり!」

「うん」

「デビューでこれは中々です。ドラマも知名度が上がればもっと人気が出るはずです」


新條さんは冷静だったけど、どうやら喜んでくれてるらしい。
顔がいつもより緩んでいる。


2位って事実も嬉しい。
だけど、それ以上にケーの曲をたくさんの人が聞いてくれたのが嬉しい。
私の歌声を聞いてくれたのが嬉しい。


その翌週には私のデビュー曲はランキング1位になっていて、ケーと一緒に喜んだ。


私は着実に、確実に、トップアーティストとしての道を進んでいた。


セカンドシングル、サードシングルも、オリコン順位は順調。
本当に私はケーの手によって、夢を叶えられたのだ。


もちろん、中傷はあった。
心無い声を初めて目にした時は、本当にショックを受けた。
それでも踏ん張れたのは、ケーがいつだって私の味方でいてくれたから。


いつだって、ひまりの声は最高だと伝えてくれたから。



私も、ケーなしでは生きられないんだ。

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