繋いでくれた歌【完結】
ケーは黙ったまま、私の肩に頭を乗せている。
ぎゅうっと手を強く握り締めてケーの言葉を待った。
「……化学反応って、いい言葉だよね。
真史にしては…って思った」
「え」
すっと頭を上げると、ケーが私の顔を覗き込む。
そして、優しく微笑んだ。
「僕の曲はひまりに歌われたから完成したんだよ。
ひまり抜きじゃ完成なんてしなかった。
もっと自信持っていいんだよ」
そこで一旦区切ると、
「……君と私で半分コ。悲しみも、憎しみも。覚えてる?」
と言って目を細める。
それはデビュー前、ケーが好きだと言っていた歌詞。
私はケーの目を見ながらコクリと頷く。