繋いでくれた歌【完結】
「音楽から離れたくて逃げたくせに、浮かぶんだよ。
僕の頭にはメロディが。
どうしたって浮かぶんだ。
……そして、出来上がったのが≪名前も知らない君≫へだった」
「……」
私はそれに目を見開く。
まさか、そんな状況で出来上がった曲だとは思わなかった。
「探し続ければ、いつか出会えるかもしれないって思ったんだ。
僕の探し求めていた、半分に」
私に宛てての曲だと勝手に思ってたけど。
だけど、これは本当に私に宛てた曲だったんだ。
「……け、ぃ」
「ひまり。愛してるよ」
「私、も」
嬉しくて堪らなかった。
ケーと出会えた事が。
私はなんて幸せなんだ。
やっぱりケーの言葉は私に勇気を与えてくれるんだ。