繋いでくれた歌【完結】


いつもの様にライブのスタッフと円陣を組んだ私。


「最終日、ひまりさん。一言お願いしますよ」

「えっ、えっと……今まで本当にありがとうございます。今日も、最高の一日にしましょう」

「もちろんっ」
「当たり前」


そんな言葉が皆から返ってくる。
もう既にそれだけで泣きそうだ。


でも、泣くのは終わってから。
全てが終わってから。


「行くぞーーー!」

「おーーーーー!」


気合いを入れた私達はスタンバイをした。
流れる前奏。騒ぐ観客。


見ててね。
ケー。



私はぐっと拳を作って、ステージに走った。


ライトが眩しいぐらいに私にあてられて、マイクを手にすると

「最終日、最高の一日にしよう!」

そう叫んだ。


わあああって声が会場を包み込む。


ノリのいいこの曲を、私は笑顔で思いっきり歌った。

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