繋いでくれた歌【完結】


「えっ、どうして」


何故か、母親と和やかに話している新條さん。
私は目をぱちぱちとさせる。



「久しぶりです、ひまりさん」

「はい、久々ですね」


休養すると告げてから、新條さんと会うことはなくなっていた。
電話が来ることはあったけど、顔を見るのは二週間ぶりぐらいだろうか。



「……痩せましたね」

「そうですかね」



ははって笑ってみせたけど、実際体重は落ちていた。
食欲だってないんだ、当然だけど。



「ケーからもらったUSBメモリー持ってますか」

「え」

「すぐに出せますか」

「えっと、はい、出せますけど」


突然なんなんだ。
家に訪問してきたと思ったら。


あれがどうしたっていうんだ。

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