繋いでくれた歌【完結】
「ではそれを持って、私に付いて来てください」
「付いていくってどこに?」
「秘密です」
「……」
「はい、急いで」
「は、はい」
催促されて、私は自分の部屋に行くと机の引き出しにしまっておいたUSBメモリーを取り出した。
潰れた箱に入れてあるそれ。
はあっと息をつくと、私はそれをポケットに入れて新條さんの元に向かった。
「持って来ました」
「では行きましょうか」
「え。もうですか?」
「はい。荒療治ですが、許してください」
「はあ!?」
何、荒療治って。
意味がわかんないんだけど。
強引に私を引っ張ると、自分の車へと押し込んだ。
それはいつかのケーの元へ連れてかれた時と一緒。
「……」
「手荒な事をしてすみません」
そう言ってるけど、きっと本当はそんな事思ってない筈だ。