繋いでくれた歌【完結】
「強引、すぎますよ」
「知ってます。今までは貴方に遠慮してましたが、もう遠慮はしません」
「遠慮ですか」
「はい。そんなすぐに気持ちの整理がつくとは思ってなかったですし、生きてるとはいえケーは話す事も出来ません。
貴方にとったら生きてないと同じでしょう?」
「……」
それに奥歯を噛み締めた。
生きてるのに、存在していないかの様な今の状態。
確かに呼吸はしている。
だけど、声が聞けない。
あの、優しい笑顔を見ることが出来ない。
それはどうしたって、辛かった。
それでも、病院に通うことを止めるなんて出来なかった。
毎日病室に行って、毎日絶望するだけ。
なのに。
ひまりって呼んでくれるんじゃないか。
そう、思えてくるんだ。