繋いでくれた歌【完結】
「真史に無理矢理連れて来られたんでしょ?
あ、そこ適当に座って。ごめん、汚くて」
「……」
何の機材だかわからないが、コードやらがたくさんあって座る場所は少ない。
空いてる場所を探して座ると、ケーがこっちをじっと見てる事に気付いた。
「……何か」
じっと見られるのは気分がいいものではない。
そう言うと、ケーはハッとする。
「ご、ごめん。ひまりが僕の部屋にいるんだなって思ったら、なんか実感なくて」
「……」
「てか、僕髪の毛ボサボサだし、寝間着だし、髭も生えてるしで、最悪だ…」
確かに、駅前にいた時より少々不潔にはなっているが、そこまで気にする程ではない。
あんま変わらないとは言えず、私は黙っておいた。