繋いでくれた歌【完結】
「僕はひまり以外に歌って欲しいと思わない。
だから、今作ってる曲も全てひまりにしか捧げない。
いや、これから作る全ての曲をひまりに捧げるよ」
それは、まるで。
―――――プロポースの様に聞こえて。
「これから先、ひまり以上の人は現れない。
断言する。僕にはひまりしかいないんだ」
「……そんなのわからないじゃないですか」
「わかるよ。わかる。僕はずっと君を探してたんだって。
頭の中のメロディーはひまりの為にあるんだって」
「……」
「嘘だと思う?」
「……はい」
「そっか、じゃあこれ聞いてみてよ」
そう言うと、ケーは立ち上がりふらつく足でパソコンの前に座る。
そして、ヘッドフォンのコードをそっとパソコンから外した。
マウスでカチカチと操作すると、次第にパソコンから音楽が流れて来た。
それはとても綺麗な旋律だった。