繋いでくれた歌【完結】
「ここにある曲は全て君の為にあるんだ。
歌いたいって言うなら僕のアルバムの曲も全て君の為にアレンジする」

「……どうして、そこまで私の事…」

「言ったじゃないか。
僕は君を求めてたんだ。その君が歌いたいって言ってくれるなら、僕は何でもするよ」



それから、ケーの熱い手が私の手をぎゅうっと握る。



「ねえ、ひまり。僕の、曲を歌って」



熱で上気した顔で、ケーがそう言った。



私からはまた涙がじわりと滲む。


「……うん」


ケーの瞳をしっかり見つめながら、私は頷いた。



「よかった。嬉しいよ、ひまり」


ニッコリと笑うケーはハッとしながら、くるっと体を回転させてパソコンに向き合う。
それから、何やらカタカタとキーボードやらマウスで打ち込んで行く。

なんとなくしかわからなかったが、メロディが思い浮かんだらしい。

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