繋いでくれた歌【完結】
「……ひまり、僕にもちゃんと教えてよね」
「はは…」
苦笑いしか出ない。
新條さんと連絡先を交換してから、彼はちゃっちゃとご飯を作る。
余りの手際の良さに驚いた。
これの代わりとか…務まらないと思うんですけど。
既に一抹の不安が。
その間に気付けばケーは眠ってしまっていた。
「それじゃ、これケーが起きたら食べさせてください。
帰る場合はタクシーでも呼んで下さいね。代金はきちんと支払いますので、領収書も忘れずに」
テキパキと帰る準備をする新條さん。
やっぱり私の事は置いていくんだ。
「あ」
玄関まで向かっている途中、何かを思い出したのか足を止めるとくるっと振り向いた。