繋いでくれた歌【完結】
「……ひまり?」
ゆさゆさと私の体を揺らされる。
「……ううん」
私は顔を顰めながら、薄らと目を開けた。
そして、視界に入った彼を見て小さく「わっ」と悲鳴をあげた。
「はは。寝ちゃってたみたいだね」
「え。えっと、…あ。……そうみたいですね」
テンパっていた私も、部屋中を見渡して現状を思い出す。
そうだ、熱を出したケーを看病してたら一緒に寝てしまったんだ。
……なんて失態。
「ずっと繋いでくれてたんだ。ありがとう」
未だに繋がれた私とケーの手。
ふ、と微笑む彼。
私は慌ててその手を離した。
「いや、寝ちゃったから、それに」
しどろもどろになる私を見て、ケーは声をあげて笑った。