繋いでくれた歌【完結】
「あはは。僕が手を繋いでてって言ったんだよ?
どうして、そんなにひまりが動揺してるの」
「……そうですけど」
「んー。ちょっと寝たら少し体が軽くなったかな」
「あ、ご飯」
「ああ、真史が作ったヤツ?」
「そうです」
「そっかあ。真史のかー。ひまりのが食べたかったな」
駄々をこねる姿はまるで小学生だ。
自然と私の頬が緩んでいた。
「ダメです。それ食べて、薬飲んで、また寝て下さい」
「嫌ですって言ったら?」
「帰ります」
「ええ!?嘘嘘!ごめんなさい。今すぐ食べます」
「あはは」
必死な姿に耐え切れずに、私はとうとう吹き出してしまった。
笑う私に気恥ずかしそうに頬をぽりぽりと掻くケー。