繋いでくれた歌【完結】
「ケーはどっか抜けてると思います」
「……そんな事ないし。てか、その敬語やめてくんない?」
「いや、それは」
「僕とひまりは対等なんだから、いいの。ほら、もう敬語やめ」
「……わかった」
「うん。はあ、真史にも何度も言ってるのに、やめてくれないんだよなあ」
「ああ、なんか新條さんは敬語がタメ語って感じがする」
「それそれ。そうなんだよねー。私!とか言ってかったいの。
几帳面だし、絶対A型。思わない?」
「私も思った」
「やっぱり」
誇らしげにニシシと笑うケーは、新條さんが作った玉子粥を頬張っている。
「ひまりはお腹空いてないの?」
「え?」
「だって、ずっとここにいるんでしょ?それに駅前で歌ってたなら食べてないだろうし」
「……」
そういえば、そうだ。
言われてみて、初めて自分が空腹という事に気付く。
その瞬間、くぅぅ~と私の腹の虫が鳴った。