繋いでくれた歌【完結】
私は食材をキッチンに置くと、上着を脱いだ。
腕をまくって食材を取り出す。


「ちょっと待っててね」

「何作るつもりなの?」


ケーはそんな私を見て、興味津津らしい。
背中越しに材料を見つめている。



「オムライス」

「オムライス?」

「うん、それしか家で作ったことない」

「へえ。僕、オムライス好き」

「そう?よかった」

「でもさ」


ガサガサとスーパーの袋をいじる私の手を、ケーはぐいっと引っ張った。
びっくりしながらケーを見る。


彼は優しく微笑むと、私を強引に部屋へと連れていく。
相変わらず機材やらでごった返してる彼の部屋。



「座って」

「……」


コクリと頷き、私は空いてるスペースに座った。
その前に座るケー。

それから、突然ケーはぎゅうっと私の事を抱き締めた。
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