繋いでくれた歌【完結】
「っ!?」
いきなり彼の温度に包まれて、息が出来ない。
心臓がうるさいぐらいに暴れ出す。
頭が真っ白で言葉だって出てこない。
「ひまり、ありがと」
ケーはぎゅっと抱き締めながら、優しくその手で髪の毛をすく。
「まずひまりの冷えた体を温めなくちゃ」
「……」
「どう?あったまった?」
「……うん」
「よかった」
私が答えると、ケーが少しだけ体を離して距離を作る。
スッとその間を通り抜ける風が、何故かとても寒く感じた。
「ほっぺ、ピンクなんだけど。本当にごめんね、待たせて。外…寒かったんだね」
頬がピンクなのは間違いなく、ケーの所為だ。
さっきから鼓動がどっくどく言ってるし。