繋いでくれた歌【完結】
ケーの曲の雰囲気を壊したくなくて、私は家で何度も練習を重ねた。
歌詞も何度も読み返した。
どうしても好きで、この曲が好きで、いや、もうケーの作る曲全てが好きで仕方なかった。
私は一気に歌いあげる。
三人は終わるまで何も言わなかった。
曲が止まった後、私はハッとして慌てて頭を下げた。
三人は依然として黙っている。
最初に口を開いたのは、やっぱりケーだった。
「やっぱ、ひまりに歌わせて正解だった」
他の曲を聞かせたことはあったけど、この曲をケーの前で歌ったのは初めてだった。
相変わらずの笑顔でそう言われて、私はホッと胸を撫で下ろす。
だけど、気になるのは二人の意見だった。
私は息を呑みながらじっと言葉を待つ。