繋いでくれた歌【完結】
「僕はやっぱりひまりがいなきゃ無理だ」
「……毎回思ってたんだけどさ」
「ん?」
「それって告白?」
「え」
キョトンとするケー。
やっぱり無自覚、無意識だったか。
そんな甘いセリフ。
普通なら勘違いしたっておかしくないよ。
ケーは私の歌声に惚れてるってのを理解してるから、勘違いしないようなモノだ。
「……」
少しだけ思案顔で俯くケー。
手は繋がれたまま。
ふいに顔を上げると、ケーは微笑んだ。
「どうだと思う?」
「は?」
今度は私が呆気にとられる番だ。
「はは。ひまり、目ん玉飛び出そうなぐらい見開いてる」
クスクスと笑うケー。
だって、こっちが質問したのに。まさか、質問で返されると思わないじゃん。