白い花が咲いたなら
不思議なこと、ふたつ
……あ。
また、白い花が……。
「だーれだ」
教室の窓辺に立って外を眺めていたあたしの目を、後ろから柔らかい手の平が覆った。
だれって、そんなのすぐわかっちゃうよ。
「真貴子(まきこ)」
「ぴんぽぉん。正解でーす。景品はなんにもないけどね」
友だちの真貴子が笑いながら隣に並んで、私と同じように外を眺めた。
「怜奈(れな)、最近よく外見てるね? なんか面白いモンでも見えるの?」
「うん。ほら、あそこに咲いてる花」
あたしは、窓のすぐ下に咲いている白い花を指さした。
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