白い花が咲いたなら
図書室で、ふたり
放課後になって。
部活に向かう真貴子と、帰宅部のあたしは一緒に教室を出た。
「おい」
後ろからポンと肩を叩かれて、振り向くとそこに近藤くんが立っている。
彼の顔を見たとたん、あたしの胸がふわふわぁっと浮き上がってしまった。
でも、そんな自分の気持ちが恥ずかしい。
だって話しかけられて喜んでるみたいじゃん。
だから、わざとツーンとした声で答えた。
「なに? なんか用?」
「あのさ、これから俺と一緒に図書室に行かね?」
「……え?」
「花がどーのこーのって言ってたじゃん? 図鑑調べてみようぜ」