白い花が咲いたなら
「んじゃ、おジャマ虫はこれで退散します。どうぞおふたりで、ご・ゆっ・く・り」
「真貴子!」
「いやーん。怜奈ちゃん、こわいー」
真貴子は笑いながらサーッと足早に逃げていく。
その背中を睨んでるあたしに、近藤くんがまた話しかけてきた。
「さあ、行こうぜ」
彼はそう言って廊下を歩き出したけど、あたしは一歩も動けなかった。
だって、ここで彼について行っちゃったらさ。
そしたらあたし、周りから近藤くんの彼女って誤解されちゃうし。
そんなの、嫌だもん……。
「どした? 来ねえの?」
「…………」