白い花が咲いたなら
体育館、ふりかえって
次の日の朝。
あたしは教室に向かいながら、体育館の横を歩いていた。
教室で近藤くんに会うのが楽しみで、でもちょっぴり恥ずかしい。
彼はどんな顔で、あたしに挨拶してくれるかな?
きっとまたあんな風に、優しく笑ってくれるかな?
これから始まる彼との時間への期待感で、この胸がワクワクと弾んでる。
―― タン……
その時体育館から、ボールの弾む音が聞こえてきた。
あれ? 今日はバスケ部の朝練は休みのはずだけど。
自主練かな? 真貴子?
扉を開けて中をそっと覗き込んだら、真貴子がフリースローの練習をしているのが見えた。