白い花が咲いたなら
体育館、ふりかえって

 次の日の朝。


 あたしは教室に向かいながら、体育館の横を歩いていた。


 教室で近藤くんに会うのが楽しみで、でもちょっぴり恥ずかしい。


 彼はどんな顔で、あたしに挨拶してくれるかな?


 きっとまたあんな風に、優しく笑ってくれるかな?


 これから始まる彼との時間への期待感で、この胸がワクワクと弾んでる。


 ―― タン……


 その時体育館から、ボールの弾む音が聞こえてきた。


 あれ? 今日はバスケ部の朝練は休みのはずだけど。


 自主練かな? 真貴子?


 扉を開けて中をそっと覗き込んだら、真貴子がフリースローの練習をしているのが見えた。

< 31 / 63 >

この作品をシェア

pagetop