白い花が咲いたなら
「頭にきて先生にボールぶつけちゃってさー。大ゲンカになったさ」
「……ぶっ」
「笑いごとじゃないよ。横暴教師だと思わない?」
「怜奈ってどこの中学だっけ?」
「真貴子と同じじゃなかった?」
「違うよ。あたし県外の中学だもん」
あたしはマユを寄せながら、首をかしげた。
あれ? そうだったっけ?
なんか全然、記憶がないんだけど。
「真貴子、引っ越して来たんだっけ?」
「実はね、白状するとさー」
真貴子は手に持ったボールを、バンバンと床に強くバウンドさせる。
「あたし、中学の時イジメられててさ。不登校になったんだよね」
「…………」
「部活でも教室でも、自分の居場所がなかったの」