白い花が咲いたなら
「真貴子みたいないい子が、イジメられる理由なんかないのに」
「イジメに理由なんか、あって無いようなもんよ」
そう言って彼女は、ちょっと笑った。
でもあたしは笑うどころじゃない。
強い怒りがジリジリ腹の底を焼いて、不快でたまらない。
大好きな真貴子をイジメてたっていう、その連中にまとめてケンカを吹っかけてやりたかった。
「しいて言えば、あたしが必死過ぎて引かれちゃったのが原因かな?」
「必死? 真貴子が?」
「うん。うちの家系ってエリートが多いんだよ」
「ああ、そういえばお医者さんとか、親戚に多いんだっけ?」
「そうなの。東大卒やら京大卒やらゴロゴロしててさ。あたしバカだから、ほんと肩身狭くて」