白い花が咲いたなら
「辛かった。悲しかった。恨んだ」
仲間だったはずのチームメイト。
友だちだったはずのクラスメイト。
どんなにあたしがみそっかすでも、最後の最後はぜったい味方になってくれるはずって、信じてた両親。
なのに、あたしの心は誰にも届かなかった。
どうしても許せなかった。
心の底から、本気で憎んで憎んで、絶望して。
だから、あたしは……。
「でもね。もう、いいかなって」
吹っ切るように、真貴子はボールに向かって元気に走り出す。
そして大事そうに小脇に抱えて、こっちに駆けて来た。
いつも通りの明るい笑顔の彼女が、語りかけてくる。
「ずっとここで、大好きなバスケをしていられて。怜奈とも一緒にいられて。そう思えるようになれたんだ」