白い花が咲いたなら

「なんか、怖ぁ~。眼科にでも行ってみようかな?」


「あ! それならうちの親戚が眼科医だから紹介するよん!」


「なにちゃっかり身内の宣伝してんの?」


 あたしと真貴子は一緒に笑った。


 ホント言うと、こんな風に笑い話にするくらいだから、あんまり怖いと思ってないんだ。


 だってあの白い花が咲く姿は、とっても綺麗なの。


 まるで洗濯したての真っ白なシーツが、青空の下で風にふわふわ揺れてるみたい。


 すごく清々しくて、見ていて心が和むような、温かくなるような。


 そんな素敵な花なんだ。


「あの花、また見たいなぁ」

「へー、お前、あの花が好きなんだ?」

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