白い花が咲いたなら
「死んでるわりに、あたし達って元気だよね? ……っていうのも変な言い方だけど」
でも他に言いようがない。
死んでるくせに、なんでこんな普通に学校生活を過ごしてるんだろ?
「死んだ事実を認識できるまで、生前の日常に近い生活を過ごすらしいぞ?」
「ふうん。死んだ人の魂ぜんぶが、そうなの?」
「そうでもないらしい。死んだ自覚がなかったり、恨みとか、強い執着を遺した者がこうなるみたいだ」
「近藤くん、妙に事情にくわしいね」
「いや、教えてもらったんだよ。俺も」
「教えてもらった? 誰に?」
「しゃべる綺麗な猫を連れた、門川って名前の同い年くらいのイケメンだよ」
「しゃべる猫ぉ?」
「その猫がこの学校におかしな気配を感じたから、調査しに来たんだとさ」