白い花が咲いたなら

 おかしいことがあれば、こうして笑って。


 嬉しいことがあれば、あんなに胸がトキめいて。


 近藤くんと繋いだ手の温もりも、真貴子と抱き合った感覚も、ぜんぶ本当のことなのに。


「それでもあたし達、死んでるんだねぇ……」


「真貴子はイジメが原因で自殺したらしいな」


「うん。さっき真貴子本人から聞いた」


 両親のことも、友だちのことも、真貴子はどうしても許せなかった。


 だから彼女の魂はここへ来たんだ。


 そして真貴子は、やっと許すことができた。


「あの白い花の正体は?」


「白い花が咲いたなら、その罪は許される」


「……?」


「門川がそう言ったんだ。意味はよくわかんねえけど」


「そっか」

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