白い花が咲いたなら

「へ? それ、どゆこと?」


「俺さ、実は生きてた頃から怜奈のこと知ってたんだよ」


「え? なんで?」


「通学路が同じだった。で、怜奈のこと、可愛い子だなぁって思ってずっと見てた」


「か、かわいい!? あたしが!? なに言ってんの近藤くんてば!」


 あたしは目を白黒させながら、慌てて彼の言葉を否定した。


「あたし、可愛いくなんかないよ。近藤くんの目、変だよ」


「そんなことないぞ! お前はすっげ可愛い!」


「…………」


「明日こそ話しかけてみようって決意した、その夜の事故だったんだ」


 またまた……爆弾発言をされてしまった。


 あたしはドキドキしてしまって、この胸の確かな熱さが、すごく嬉しい。


 そしてちょっぴり切なかった。

< 51 / 63 >

この作品をシェア

pagetop